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コラボ企画
 
iPhoneをショルダーフォンにする
 

最近いろんな携帯アクセサリがある。バリエーションが豊かなのはいいことだけど、多すぎてどれを選んでいいか分からない。特に迷うのはケースだ。人に見られる部分だからセンスをアピールしたいし、だからといって使いにくいのも困る。今回は、そこに究極のソリューションをご提案したい。

石川大樹
(いしかわだいじゅ)
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、変な国の音楽を集めたりしています。1980年岐阜県生まれ。
> 個人サイト nomoonwalk

まずは初心に返ろう

迷って判断を見失いそうになったとき、肝心なのは「初心に返る」ということである。
携帯電話における初心とはなんだろう。
これである。

NTTドコモ歴史展示スクエアのサイトより

80年代にNTTが開発した、最初の携帯電話である。肩掛けなのでショルダーフォンと呼ばれている。ずいぶん大きいのだけど、これ、電話機能つきバッグとかではない。全体で一台の携帯電話なのだ。

渋い。iPhoneケースにうってつけではないだろうか。(論理の飛躍)

 

いきなりずぶ濡れる

ここで急に話は飛ぶが、大阪にやってきた。おりしも8/18、大阪が豪雨に見舞われ、難波駅が浸水した日である。


僕も浸水した

渋いケースを求めた末、僕はショルダーフォン型iPhoneケースを自作することに決めた。そして芸大出身で造形が得意なライター、小堀さんに手伝ってもらうことにしたのだ。小堀さんは京都出身の大阪在住。そんなわけで僕は大阪にやってきて、小堀さんの家の手前50mのコンビニで急に大粒の雨が降り出し、「すぐ目の前だから傘買うほどでもないだろ」と思って無防備に歩いた結果がこれである。

工作の第一歩は部屋着を借りるところから

今回の制作はちょっと大変そうだな、という予感はしていたんだけど、まさかこういう形で大変になるとは思っていなかった。

何やってるんですか(はんなりとした京都弁で)

作業開始


これが今回の主な素材

事前に秋葉原で材料は揃えてきた。受話器の部分は中古の電話から外した物で、下のボックス部分はジャンクのDVDドライブである。DVDドライブは縦20cm×幅28cmで、これはショルダーフォンのほぼ原寸大。運命的な出会いであった。

ここから先は小堀さんが受話器部分、僕が本体部分と分担して作業を始めるのだけど、まずは小堀さんの受話器制作の様子を見ていこう。

 

26才男子、工具にはしゃぐ


鉛筆でケース部分の寸法を測ったのち

やたらニヤつき始める小堀さん

開始早々すごくニヤニヤしている。こんな薄気味悪い人だっけな…、と思って見ていたら、おもむろに手元の袋から何か取り出した。

さっき思い切って買ったんですよ

持っているのはリューター(材料切ったり削ったりする工具)。ずっと欲しかったのをこの機会に買ったそうだ。あまりに嬉しそうなので、形状を調べるフリをして受話器を受取り、しばらく焦らしてみる。その様子に感づいた小堀さんは、「僕のこと、『早く使いたくてしょうがない!』みたいな感じだと思ってるでしょう?」と言った。完全に『早く使いたくてしょうがない!』という顔だった。

「一番いいやつ買ったんです」「電源が今までの10倍なんですよ」「スタンドつければボール板にもなるんです」

マーライオンの噴水の如く、喜びを口から垂れ流しながら受話器の加工を進める小堀さん。 新リューターのすばらしさを小一時間たっぷり満喫したのち、ケースを受話器に埋め込む用意ができた。

ちょっと反ってる

受話器の形状が反ってるのでケースがぴったりはまらない。仕方がないので端材で隙間を埋めることに。

こんな具合

いい感じ、いい感じ

続いてフタを開けて中身の加工も。

受話器の中ってこんなにスカスカだったのか

iPhone用のイヤフォンマイクに入れ替えた

今回のショルダーiPhoneケース、ただの収納ケースではなく、ちゃんと受話器を使って会話ができるようにしたかった。 後述するが、今回は「エンジニアの自由研究」という企画の一環でもあるのだ。ちょっとエンジニアっぽいところを見せておきたい。

エンジニアっぽいところ=イヤフォンをテープで貼るだけ、なのだが。


完成だ

すばらしいリューター力により受話器は難なく完成。小堀さんも大満足の表情である。そして平行して作っていた箱の方も見てみよう。


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